個人事業主をしていると、仕事の付き合いで飲みにいったり、ランチにいくことも多いでしょう。
しかし、そういった食事代をどこまで経費にできるのか、どういった場合は経費にできるのか頭を悩ませるときは多いのではないでしょうか。
結論からいうと、業務上必要な食事代だと証明できればもれなくすべて経費にすることができます。
詳しく解説いたします。
▼この記事でわかること
・接待交際費を経費にするには基本的に領収書は必須
・どんな飲食代なら接待交際費にできるのか?!(事例をチェック)
食費や接待交際費を全部経費にできる条件
食費や接待交際費は業務上必要であれば経費にできます。
業務上必要と証明するためには、領収書を必ずもらうようにします。
ただし、領収書がなくても、レシートやクレジットカードの明細はたまた電子決済の明細でも原則認められますので、必ず領収書が必要というわけではありません。
ポイントは以下を証明できるようにすることです。
ポイント
- 食事や接待があった日時
- 食事や接待の場所
- 食事や接待の相手
- 食事や接待の目的
- 支払った金額
これらが客観的に証明できれば十分でしょう。
なので、上記のうち、相手と目的以外が記録されている、領収書、レシート、クレジットカードの明細、電子決済の明細のいずれかがあれば十分と覚えておいてください。
領収書の方が、店のハンコが押してあるなど、より証明力が強い場合が多いことから、ちまたの記事などでは、レシートより領収書の方が良いといわれていますがあまり気にする必要はありません。
また、クレジットカードや電子決済の明細でも、上記のポイントのうち、相手と目的以外は入っているため通常領収書のかわりになります。
ただし、クレジットカードや電子決済の明細、領収書やレシートであっても、接待の目的や接待の相手はのっていませんので、目的や相手はメモしておくことを忘れないようにしましょう。
インボイス制度への対応のため領収書に登録番号も必要に
インボイス制度が始まったことにより、今まで消費税を支払う必要がなかった方も消費税課税事業者として登録することが増えたかもしれません。
また、そもそも2年前の売上が1,000万円を超えている人は消費税を支払う必要があります。
このような場合には、Tから始まる登録番号がついている領収書をとっておく必要が原則としてあります。
所得税法上は、クラウド会計で管理しておけば領収書は必ずしも必要ありません。
一方で、消費税法上は領収書は原則必要になるのです。
しかも、インボイス制度によって相手が「適格請求書発行事業者」であるかどうかも確認しておく必要があります。
この場合、先ほどの領収書に記載の要件に加えて、「Tから始まる登録番号」が記載されているかを確認しておく必要があることに注意してください。
「Tから始まる登録番号」があればその支払先は「適格請求書発行事業者」であることの証明になり、消費税の支払いは消費税申告上は「仕入税額控除」を適用できその支払った消費税分は国から返金を受けることができるのです。
ただし、実務上は必ずしも領収書をもらわないと消費税で損をするというわけでもなく、基本的には
「飲食店での飲み食いやイレギュラーな取引で高い支払については領収書を必ずもらうようにする」ということで足りるでしょう。
これは詳細は割愛しますが、様々な特例があったり、そもそも領主書がなくても領収書の代わりのものをもらっていれば問題ないと判断されるケースも実務上はあるということが理由です。
2023年10月よりインボイス制度ができました。
インボイス制度は消費税申告をしている個人事業主の皆様にとっては大きく影響してきます。
消費税申告の制度とは、簡単にいうと、「売上などにかかって受け取った消費税」は国に納める必要がある一方で、逆に「支払った消費税」については国から返金を受けることができ、その金額を申告する制度です。
ここで、「支払った消費税」については、原則として請求書や領収書を保管する必要があり、かつ支払った相手方が「適格請求書発行事業者」である必要があります。
これをインボイス制度と言います。
(インボイスを保管してくださいという制度と読み替えると覚えやすいです)
ただし、令和11年9月30日までは、特例として、自身が2年前の売上(課税売上)が1億円以下のいわゆる「一定規模以下の事業者」である場合、1万円未満の仕入は「請求書や領収書の保管」が不要となる「少額特例」という制度があります。
電子データで受け取った領収書は電子データで保管する必要がある
電子帳簿保存法という制度が2024年より始まっています。
電子帳簿保存法とは、電子でやりとりした領収証や請求書などは電子で保管する必要があるという制度です。
あまり難しく考える必要はありません。
クラウド型会計ソフトを利用している場合は、基本的にそのソフトに付随したツールで請求書や領主証を発行することになります。
その際に、必ず会計ソフトとも連携させて電子帳簿保存法に準拠した方法で保管するというボタンを押しておくようにしましょう。
また電子で受け取った領収証や請求書はクラウド会計ソフトに取り込んでおき、仕訳に紐づけて帳票として保管しておくようにしましょう。
経費にできる条件(業務上必要と判断)の範囲は?
経費にできる条件は業務上必要かどうかです。
では、ここからは具体的にどういうケースの場合に、業務上必要と判断されるのかみていましょう。
一人での昼食は原則NG
原則として、個人事業主自身の食事代は経費にできません。
なぜなら、プライベートの生活をしていても、食事は必要であり、食事をしながら仕事をしていたとしても、業務上直接的に必要とは認められないからです。
しかしながら、得意先へ訪問していて、少し時間があいたから、喫茶店によって、資料の整理していた場合は、その喫茶店は場所代として必要だったと判断される場合があります。
しっかり、仕事で必要だったと判断される目的をメモしておくことが重要です。
ランチミーティングは業務上必要であれば会議費として経費に計上できる
では、一人での昼食ではなく、ランチミーティングのような形で、取引先と一緒の食事をとっていた場合はどうでしょうか。
こちらは、業務上必要であったことを比較的容易に証明できますので、原則として、経費にできます。
ただし、従業員とランチミーティングをした場合は注意が必要です。
というのも、特定の人と必要以上にランチミーティングをしていた場合には、必要性を疑われる可能性があるからです。
したがって、従業員とランチミーティングを行う場合には、従業員全員に平等に機会を与えるようにランチミーティングをセッティングすることが重要です。
ちなみに、会議目的としてランチやディナーを経費に落としたい場合に、必要以上に高価な食事やアルコールを頼むのはNGですので、注意してください。
従業員と慰労目的で食事や飲み会をセットした場合はどうか?所得を減らす目的の裏技としても使える!
さきほどは、あくまで会議目的のランチでしたが、慰労目的の場合はどうでしょう。
慰労目的の場合も、従業員全員に平等に機会を与えていれば、福利厚生費として経費に計上できます。
例えば、12月末に収入が予定より多く出た場合に、思い切って従業員全員を対象に、慰労パーティを開くといった方法で節税につなげることもできますので覚えておきましょう。
スーパーやコンビニで食事やお酒を購入した場合は?
残念ながら、店で食事やお酒を買った場合には、原則として経費とすることはできません。
ただし、例えば、会議に際して、お菓子やお茶を提供するような場合には、経費にできるケースもあります。
キャバクラ代やその帰りのタクシー代も経費に落とせる!!接待をするときは思い切って、使ってしまう方がお得?!
得意先や取引先とのキャバクラ代も、キャバクラにいくことによって業務が円滑に進められる場合には、経費に落とすことができます。
一方で、従業員とのキャバクラ代は、福利厚生費になるかならないかという話になってきますが、慰安目的としては認められないと判断されるケースもありえますので、あまりおすすめしません。
キャバクラなどの夜の店は遅くまでやっていることも多く、帰りの電車がなくなるケースも多々あります。
なので、帰りのタクシー代も接待交際費として落とすことができます。
あと一押しで、契約が締結できそうであったり、キャバクラが好きそうな相手だと判断した場合には、思い切って高級なキャバクラで羽振りよく使ってしまうことも時には必要になるかもしれません。
ホテルについてる朝食代は経費にしても容認されるケースが多い
本来、出張先での個人事業主が一人で食べる朝食代は、経費にすることはできません。
しかし、ホテルで朝食がついている場合などは、朝食代部分が明確にはわからない場合があったり、業務上必要な宿泊の一環であるという考え方もできるため、経費として認められる可能性が高いです。
仕訳や計上方法は経費にできる条件と関係なし
よく、食事や接待は、会議費、交際費、旅費交通費、福利厚生費のいずれかでないと経費に落とせないというニュアンスの記事をよく見ます。
しかし結論としては、仕訳や計上方法によって経費にできるできないが決まってくるわけではありません。
何度もいいますが、食事や接待が経費に落とせるか否かを決めるポイントは、事業と関係するか否かを証明できるかどうかです。
また食費や接待交際費以外の経費の範囲についてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。

接待相手として嘘の名前を書いたらばれる?
家族との食事をした際に領収書をもらい、接待相手に違う人の名前を書くという方法で、本来落とせない飲食代を経費に落としている人をよくみかけます。
基本的にそういう嘘の名前を書いたとしてもばれないですが、過度に同じ人の名前を書いてしまっていた場合、反面調査でばれることがあります。
具体的には、その書かれた名前の人のところに税務調査に入り、実は違うところで別の会食にいっていたりしていることがばれれば否認されることになります。
この場合は、故意の脱税行為と判断され、多額の課徴金をとられる可能性があります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
食費や接待交際費は個人事業主の場合、制限なく経費にすることができる反面、経費にできるかどうかが悩ましい場面も多い項目です。
経費にできる食費や接待交際費をしっかりと理解し、節税に役立てましょう。

